教材・事例紹介

【会員レポート】中学生・高校生向け『写真付き教材』の実践例① ~東日本大震災を体験した子供達の想い・考えを、次世代に伝える教材~

 

【会員レポート】では、本協会会員の皆さまから寄せられた防災教育実践報告などをご紹介しています。掲載をご希望の方は、事務局まで情報をお寄せください。また、レポートを掲載された方へのご相談や講師派遣依頼につきましても、事務局までお気軽にお問い合わせください。

 


 

情報提供者:小笠原 潤(岩手県立宮古高等学校定時制 講師) 会員
活動実施日:2026年5月26日
情報提供日:2026年7月8日
連絡先  :TEL. 0193-63-6448 
      MAIL. ptf60-j-ogasawara(アットマーク)iwate-ed.jp 

 

準備の段階

● 実践・実施のきっかけや経緯

 東日本大震災発災から15年を経過し、震災当時生まれていなかった子供達が中学校や高校に入学してくる現在、地域に根ざした防災・減災についてどのようにして伝え、考えてもらうかを工夫していく必要を感じていた。

● 計画や準備で気をつけたこと

 東日本大震災が発生した2011年から2021年まで、被災地域にある5つの高校(宮古、久慈東、山田、岩泉、宮古北)において、2012年12月にインドネシアのアチェ州を取材したうえで『インド洋大津波と東日本大震災の比較』というタイトルで、防災・減災や復興、国際理解、環境問題等について情報を提供する授業やプリント学習を実施してきた。その中には、震災当時高校2年生だった生徒から保育園年長だった幼児まで(12学年分)の生徒達の震災時や震災復旧・復興時の想いや考えが、授業の内容をふまえた600字の小論文という形で多数記録されている。
 これまで、多様な視点の小論文を現役の高校生に『朗読』してもらうことにより、被災した当時の子供達の想いや考え、そして感情が、読み手の生徒達はもちろん聴く側の生徒達により強く伝わる授業を実践してきた2025年9月16日【会員レポート】2025年12月3日【会員レポート】、2編を参照)。また、それらの実践をふまえて、いくつかの点を改良した『教材』を作成した2026年4月27日【会員レポート】を参照)。
 今回、昨年(令和7年)5月27日にも出前授業(旧教材を使用)を実施した岩手県立久慈翔北高等学校において、介護福祉系列2年生25名と岩手県立北桜高等学校介護福祉系列2年生11名、計36名を対象に、「交流学習スクール」、および「いわての復興教育スクール」の一環として行われた震災学習(タイトル:「東日本大震災を経験した高校生たちの思いを継ぐ」)で、初めて「中学生・高校生向け『写真付き教材』」を使用した。

 

実践の段階

 

● 実施した内容

1) 『インド洋大津波と東日本大震災の比較』の授業内容の紹介(約45分間)

 東日本大震災の翌年(2012年)に、JICA東北主催の教師海外研修でインドネシア・アチェ州を訪れる機会を得た。当地は、2004年12月26日に発生したインド洋大津波(スマトラ島沖地震)の被災地で、アチェ州だけで約16万人が亡くなっている。この研修で得た知見や帰国後に調査した日本における「自然環境を活用した防災・減災」などをまとめ、スライドや動画上映を中心とした50分×2コマの授業を実施している。
 今回、その授業内容(「アチェの状況」や「マングローブの役割」「日本の防災林」等)について短縮して参加生徒達に紹介した。そのうえで、上記5つの被災地域の高校において授業内容の1つとして「600字の小論文」の課題を提出してもらったこと、そしてその中から今回12編を選んで生徒達に朗読してもらうことを説明した。

2) 久慈翔北高校と北桜高校の生徒(計12名)による小論文(12編)の朗読(約25分間)

 今回、震災を体験した生徒達の小論文『12編』参考資料①参照)について、朗読してもらった(1人各1編を朗読)。読み手の生徒は、二校の指導者にその場で指名してもらった
 朗読してもらった12編の小論文の選定は、できるだけ多様な視点と体験を含むことや、実際の体験から得られた教訓や提言を含むこと、等を考慮した(久慈翔北高校の前身である久慈東高校の生徒が書いた2編を含む)。

3) ワークショップ

 朗読してもらった12編の中から1編を各自選び、「A:あなたが共感したのは、どういう所ですか?」と「B:選んだ小論文を読み、これからあなたができることは何ですか?」、および「感想」を、別紙資料①に書き出してもらった。
 その用紙をもとに、6~7人のグループごとに、別紙資料②(「グループ討議資料」)を使いながら、「これからあなたができることは何ですか?」について話し合う予定であったが、予定時間を過ぎてしまったのでワークショップは実施せず、次の4)課題の配付だけを授業終了後に実施してもらった。

4) 課題の配付

 授業終了後に、別紙資料③(「原稿用紙」)を配付し、朗読した12編の小論文の中から各自が選んだ1編について、「A:あなたが共感したのは、どういう所ですか?(160字以上~200字以内)」と「B:あなたが選んだ小論文を読み、これからあなたができることは何ですか?(260字以上~300字以内)」について書いてもらい、後日提出してもらった。

5) 想いや考えの共有

 後日、提出された小論文のうちのいくつかを、選んだ小論文と一緒に掲載したプリントを作成・配付し、参加生徒全員で想いや考えを共有した(参考資料②『想いや考えの共有』(10名分)参照)。

 

● 実施中や実施後の参加者の反応

実施した内容の1)「授業内容の紹介」

 今年(令和8年)4月20日に発生した三陸沖を震源とする地震・津波(久慈市で震度4・津波の高さ80㎝)の時、久慈市指定緊急避難場所および指定避難所に指定されている久慈翔北高校には、当時約400名の一般市民が避難してきたそうである。その際に、教職員や介護福祉系列の生徒をはじめ多数の生徒たちも協力して対応したというお話を聞いていた。
 そのような体験をしたり、防災や介護福祉について強い意識を持っている生徒達なので、遠い国の話であるインド洋大津波や自分が生まれた頃でほとんど記憶がない東日本大震災の話について、とても意欲的に聴いてくれていることを感じることができた。

実施した内容の2)「小論文(12編)の朗読」

 その場で各校の先生から指名されての朗読であったが、誰一人嫌な顔をせずに立派に朗読してくれた。聞き手の生徒達も、配付された小論文の冊子を見ながら真剣に聴いている姿が印象的であった。
 久慈翔北高校の先生からは、「朗読することで伝わることが多くあることも再確認できました。震災をほとんど知らない生徒たちも、当時の高校生の小論文から感じることが多くあったようです」というお話を、北桜高校の先生からは、「読む(黙読)するだけでは伝わらないことが、生徒が朗読することでよく伝わる」というお話をいただいた。

実施した内容の3)「ワークショップ」

 実施した内容の1)「授業内容の紹介」に時間をかけてしまい、グループ討議は実施できなかった。今後は、紹介するスライド写真を最初から少なくして実施したい。
ただし、グループ討議がなくても、今回のように「実施した内容の4)課題の配付」と「実施した内容の5)想いや考えの共有」を実施することは可能である。
 「朗読」と「グループ討議」、および「想いや考えの共有」の3つを実施することが望ましいが、「朗読」と「グループ討議」の2つ、もしくは「朗読」と「想いや考えの共有」の2つを実施することでも同じように防災学習・震災学習の目標に達することは可能であると考える。

実施した内容の5)想いや考えの共有

 参考資料②『想いや考えの共有』(10名分)にあるように、被災者の視点から震災を理解し、共感を深め、「自分事」として考えることができたと思う。
 この教材を使い、震災を体験した子供たちの生の声や感情・教訓を後世に伝えることで、時間の経過とともに薄れゆく震災の記憶を定着させることは可能であると考える。また、生徒達が自然災害に対する防災・減災について自ら考え行動しようとする力を育むことが可能であると考える。

 

継続の段階

 

● 課題に感じたこと

 小論文12編について、関連するカラー写真を各編に2枚ずつ付けたが、参加する生徒の人数分(12編=12枚)をカラー印刷するのは、印刷費用の点で難しい、ということを感じた。今回は、冊子の小論文と写真は白黒印刷にし、12編の各小論文に掲載した2枚のカラー写真をスライド写真にしてスクリーンに映しながら朗読してもらったが、生徒達は冊子を見る方に集中し、スクリーンはあまり見ていなかった。写真が白黒印刷でも文字だけよりはイメージを想像しやすいが、カラー印刷の方がよりイメージしやすいのは確かであるので、今後検討していきたい。
 また、旧教材と比較して、活字を大きくしたこと、加えて地名や複数の読み方がある漢字などに「ふりがな」を付けたことで『朗読』しやすくなったと思われるが、生徒によっては「ふりがな」が付いていない漢字でひっかかっている場面もあった。現在作成中の「小学校高学年向け『写真付き教材』」のように、全ての漢字に「ふりがな」を付けることも検討していきたい。

● これからの期待や展望

 東日本大震災から15年が過ぎ、震災記憶の風化が進んでいることを感じている人は多いと思われる。時の流れにより風化が進むのは仕方がない、と諦めてしまう人もいるかも知れない。しかし、津波による甚大な被害を何度も繰り返し受けてきた三陸地域で伝わる「津波てんでんこ」のように、あるいは文字としては記録されていない百数十年前に発災した大津波の記録を口承文芸として伝承してきたインドネシア・シムル島の「スモン」のように、先人の被災体験や教訓が伝わったことで助かった命がたくさんあるという事実を忘れてはいけない。
 原爆詩の『朗読』を続けている吉永小百合さんの活動や、ひめゆり平和祈念資料館等で行われている元学徒の体験を綴った手記や絵本の『朗読』は、聴く人の感情に強く訴える。
 東日本大震災の被災者である子供達の「想いや考え・感情」は、『朗読』することにより共有することができ、そしてそれは被災体験や教訓を未来へ引き継いでいくための有効な方法の一つであると考える。

 

 

● 実践中の写真

※写真の掲載についてご本人の許可をいただいています。

           

【レポート】防災クイズ&ゲームDay2026を開催
防災ゲームDAY2026アイキャッチ

2026年7月5日(日)、東京臨海広域防災公園・そなエリア東京を会場に「防災クイズ&ゲームDay2026」を開催しました。イベント概要や出展・紹介された各種防災ゲームや教材については、本記事下部の「イベント概要」をご覧ください。

2026年度は、昨年度に引き続き全国の防災教育実践を支援する 防災教育チャレンジプラン と連携し、2025年度防災教育チャレンジプラン大賞受賞団体である「栃木県立矢板高等学校農業技術部畜産班」様の取り組みをご紹介させていただきました。

例年ご出展いただいている 国土交通省国土技術政策総合研究所 様、しぞ~か防災かるた実行委員会 様、産業技術総合研究所 様による体験に、本年度は 損害保険ジャパン東東京ミライACTIONS 様も加わり、親子連れや小学生なども楽しめる出展が増えました。

また、防災に関する実験器具などを取り扱う ケニス株式会社 様や、簡易に設置できるプロジェクションマッピングを扱う 有限会社アシストコム 様、紙を使った振動実験教材と全長10m超の「げんさい絵巻」を紹介された ぶるるチーム 様、クリアファイルを使った振動実験教材を紹介された 京華中学高等学校 松浦宏和 様など、体験的に地震を学べる出展が多くありました。

学生団体SASAKAMA 様や 防災まなびサイクル 様、法政大学チーム・オレンジ 様など、学生団体による出展や参加も非常に多く、若い世代による主体的な教材開発や実践の広がりが感じられるイベントとなりました。

2025年度に引き続き本年度もイベント期間中の来場者数は1,000名を超え、多くの方にご来場いただくことができました。

イベントで紹介した防災ゲームや教材などは、上記団体様のリンクでご確認いただけます。また一部教材は直接ダウンロードもできますので、ぜひご活用ください。

当日出展された防災まなびサイクル様から、広報媒体での出展報告をお知らせいただきました。詳しくは下記リンクからご確認ください。

● 防災まなびサイクルが、「防災クイズ&ゲームDAY2026 in そなエリア東京」に出展しました(報告)
https://bosai-manabi.com/news/20260707-1/

● 【イベントレポート】防災まなびサイクルが、防災クイズ&ゲームDAY2026 in そなエリア東京に出展しました
https://note.com/bosai_manabi/n/nbdab4c3533cd?sub_rt=share_sb

 

(以下は「防災クイズ&ゲームDAY2026」の実施概要です)


防災ゲームDAY2026チラシアイキャッチ

様々な防災ゲームやプログラムを、ぜひ会場やYouTubeを通して体験してください!

 

2016年より本協会と東京臨海広域防災公園管理センターで主催している防災クイズ・防災ゲームの体験イベント「防災クイズ&ゲームDay」を2026年も開催します!

本イベントは多くの方に防災クイズやゲームを体験していただくことを目的としていますが、回数を重ねるごとに出展者の皆さまや参加者の皆さまとのつながりが生まれ、新しい取り組みにつながっている事例もあります。

出展・参加ともに無料で、児童生徒の皆さんから防災関係者の方々まで、どなたでも自由に出展・参加をしていただけます。ぜひ会場やYouTubeで様々な防災クイズ、防災ゲームやプログラムを紹介、体験してください。

また、2025年度から 防災教育チャレンジプラン と連携し、受賞団体による発表や過年度実践団体の成果紹介なども行います。学校、地域団体、NPOや大学・学生団体など、多様な主体による様々な事例を知る機会にもなります。

Xではハッシュタグ #防災ゲームday を使って、様々な防災クイズや防災ゲーム、教材や事例などを紹介していく予定です。皆さまからの情報もお待ちしています!

▼昨年度の防災クイズ&ゲームDAYレポートはこちら

○ 【報告】防災クイズ&ゲームDAY 2025を開催しました

▼チラシのダウンロードはこちら

 

イベント概要

 

開催日時: 2026年7月5日(日) 10:00~16:00

主  催: 一般社団法人防災教育普及協会
共  催: 東京臨海広域防災公園 管理センター
協  力: 防災教育チャレンジプラン 実行委員会

開催方法: 会場での体験会・展示会、及びYouTubeチャンネル公開

会  場: 東京臨海広域防災公園 そなエリア東京(アクセスマップ
      ゆりかもめ「有明」駅下車すぐ

※会場には一般来園者用の駐車場がありません。公共交通機関をご利用ください。

参加申込: 不要です。当日会場までお越しください。
      ※体験会は先着順となります。混雑時の対応は各出展者にご相談ください。

 

当日出展・体験会実施予定の防災ゲームや教材、プログラム

 

2025年度から全国の防災教育を支援する取り組み「防災教育チャレンジプラン」と連携し、優れた実践事例等をご紹介します。受賞団体による展示紹介、体験会なども開催します。

その他、本イベントで出展及び体験会が実施される防災ゲームや教材については以下をご覧ください。

各ゲームや教材の詳細、ダウンロード、購入方法につきましてはリンク先の各団体等に直接お問い合わせください。  

▼2026年度の主な出展ゲーム・教材・体験プログラム<順不同>

地域と連携した家畜動物の避難システムの構築|栃木県立矢板高等学校農業技術部畜産班(成果物展示)
★2025年度防災教育チャレンジプラン「防災教育大賞」受賞団体

あつまれ 災害モンスター島|災害モンスター研究所
★2024年度防災教育チャレンジプラン「防災教育特別賞」受賞団体

防災まなびサイクル|防災まなびサイクル
★2026年度防災教育チャレンジプラン実践団体

紙ぶるる作製、げんさい絵巻、紙製振動模型、液状化模型|ぶるるチーム
☆ぼうさいじっけんコーナー

地震発生説明機・プレートテクトニクス説明模型|ケニス株式会社
☆ぼうさいじっけんコーナー

固有振動と共振実験「地震動ハートふるふる」|京華中学高等学校 松浦宏和
☆ぼうさいじっけんコーナー

国交省防災カードゲーム「このつぎなにがおきるかな?」|国土交通省国土技術政策総合研究所

SOMPOで学防ッチャ|損害保険ジャパン東東京ミライACTIONS

防災人生ゲーム|法政大学チーム・オレンジ(instagram)

災害医療タッチ&クエスト(ARラリー)|産業技術総合研究所

しぞ~か防災かるた|しぞ~か防災かるた委員会

ジオプロボックス|アシストコム

たすかるた|SASAKAMA

ちょボットの防災道場|防災教育普及協会<提供:Yahoo!きっず>

伊勢湾台風カルタ|防災教育普及協会<提供:名古屋市港防災センター>

EVAG豪雨災害編(新たな防災気象情報対応)|防災教育普及協会<協力:国土防災技術株式会社>

ほか多数!

以下の記事で紹介している30種類以上の各種教材や防災ゲームについても、展示・体験ができます。

“防災ゲームコンシェルジュ”が常駐し、『防災教材活用ガイドチャート』に基づき、実施環境(対象年齢、人数、時間等)や学びたいテーマに応じた防災ゲームや教材の紹介、使い方のアドバイスなども承ります。

2026年度は新たに「防災ゲーム診断(試験実施中)」を公開しました。下記ページより体験いただけます。

 

   

防災ゲーム・教材等についてのYouTube動画紹介

 

▼防災クイズ&ゲームDayチャンネル(YouTube)及び動画紹介ページについて

 ※動画は順次追加予定です。

  

出展者の受付フォーム<締切>

 

本イベントでの体験会、展示、YouTubeチャンネルでの動画紹介への申請受付を行っています。出展をご希望される個人・団体の方は、下記の申請フォームよりお申し込みください。

なお本イベントはそなエリア東京を会場に、毎年「7月の第1日曜日」に固定開催しています。ご都合が合わない場合はぜひ次年度でのお申し込みをご検討ください。

※ 出展料は無料です。
※ 申し込みフォームに記載の注意事項を必ずご確認ください。
※ 希望者多数の場合、本協会会員(個人・団体・賛助)の出展を優先させていただきます。
※ 公共施設のため会場内での販売はできません。チラシ配布等は可能です。

 

防災クイズ&ゲームDAY に関するお問い合わせ

 

お問い合わせフォーム よりお知らせください。

本イベントは 内閣官房「国土強靱化 民間の取り組み事例集(R7年4月)」 に掲載されています。詳しくは下記のリンクから個別事例(pdf)をご確認ください。

▼防災教材の作り手と防災教育の担い手をつなぐ「防災クイズ&ゲームDay」
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kokudo_kyoujinka/r7_minkan/pdf/028.pdf

【試験公開中】あなたにぴったりの防災ゲーム(教材)診断

この診断は防災クイズ&ゲームDAY2026(7/5開催)に合わせて試験的に公開しています。一部テキストが未完成であったり、リンク先に不備が出る場合があります。ご了承ください。

診断結果には、より多くの方が実践・活用しやすいように「ゴールや勝敗がある」市販のゲームだけでなく、無料でダウンロードできるもの、オンライン体験できるもの、ワークショップやワークシートなどの教材も含まれます。

教材の一覧については こちら をご覧ください。

作成:宮﨑賢哉(社会福祉士)/ 防災教育普及協会 教育事業部長

▼チラシ ※生成AIを用いて作成しています。ダウンロードは こちら から。

 

テーマについて
どのテーマについて知りたいですか?

 

【終了】防災クイズ&ゲームDAY2026 in そなエリア東京|2026年7月5日(日)
防災ゲームDAY2026チラシアイキャッチ

様々な防災ゲームやプログラムを、ぜひ会場やYouTubeを通して体験してください!

 

2016年より本協会と東京臨海広域防災公園管理センターで主催している防災クイズ・防災ゲームの体験イベント「防災クイズ&ゲームDay」を2026年も開催します!

本イベントは多くの方に防災クイズやゲームを体験していただくことを目的としていますが、回数を重ねるごとに出展者の皆さまや参加者の皆さまとのつながりが生まれ、新しい取り組みにつながっている事例もあります。

出展・参加ともに無料で、児童生徒の皆さんから防災関係者の方々まで、どなたでも自由に出展・参加をしていただけます。ぜひ会場やYouTubeで様々な防災クイズ、防災ゲームやプログラムを紹介、体験してください。

また、2025年度から 防災教育チャレンジプラン と連携し、受賞団体による発表や過年度実践団体の成果紹介なども行います。学校、地域団体、NPOや大学・学生団体など、多様な主体による様々な事例を知る機会にもなります。

Xではハッシュタグ #防災ゲームday を使って、様々な防災クイズや防災ゲーム、教材や事例などを紹介していく予定です。皆さまからの情報もお待ちしています!

▼昨年度の防災クイズ&ゲームDAYレポートはこちら

○ 【報告】防災クイズ&ゲームDAY 2025を開催しました

▼チラシのダウンロードはこちら

 

イベント概要

 

開催日時: 2026年7月5日(日) 10:00~16:00

主  催: 一般社団法人防災教育普及協会
共  催: 東京臨海広域防災公園 管理センター
協  力: 防災教育チャレンジプラン 実行委員会

開催方法: 会場での体験会・展示会、及びYouTubeチャンネル公開

会  場: 東京臨海広域防災公園 そなエリア東京(アクセスマップ
      ゆりかもめ「有明」駅下車すぐ

※会場には一般来園者用の駐車場がありません。公共交通機関をご利用ください。

参加申込: 不要です。当日会場までお越しください。
      ※体験会は先着順となります。混雑時の対応は各出展者にご相談ください。

 

当日出展・体験会実施予定の防災ゲームや教材、プログラム

 

2025年度から全国の防災教育を支援する取り組み「防災教育チャレンジプラン」と連携し、優れた実践事例等をご紹介します。受賞団体による展示紹介、体験会なども開催します。

その他、本イベントで出展及び体験会が実施される防災ゲームや教材については以下をご覧ください。

各ゲームや教材の詳細、ダウンロード、購入方法につきましてはリンク先の各団体等に直接お問い合わせください。  

▼2026年度の主な出展ゲーム・教材・体験プログラム<順不同>

地域と連携した家畜動物の避難システムの構築|栃木県立矢板高等学校農業技術部畜産班(成果物展示)
★2025年度防災教育チャレンジプラン「防災教育大賞」受賞団体

あつまれ 災害モンスター島|災害モンスター研究所
★2024年度防災教育チャレンジプラン「防災教育特別賞」受賞団体

防災まなびサイクル|防災まなびサイクル
★2026年度防災教育チャレンジプラン実践団体

紙ぶるる作製、げんさい絵巻、紙製振動模型、液状化模型|ぶるるチーム
☆ぼうさいじっけんコーナー

地震発生説明機・プレートテクトニクス説明模型|ケニス株式会社
☆ぼうさいじっけんコーナー

固有振動と共振実験「地震動ハートふるふる」|京華中学高等学校 松浦宏和
☆ぼうさいじっけんコーナー

国交省防災カードゲーム「このつぎなにがおきるかな?」|国土交通省国土技術政策総合研究所

SOMPOで学防ッチャ|損害保険ジャパン東東京ミライACTIONS

防災人生ゲーム|法政大学チーム・オレンジ(instagram)

災害医療タッチ&クエスト(ARラリー)|産業技術総合研究所

しぞ~か防災かるた|しぞ~か防災かるた委員会

ジオプロボックス|アシストコム

たすかるた|SASAKAMA

ちょボットの防災道場|防災教育普及協会<提供:Yahoo!きっず>

伊勢湾台風カルタ|防災教育普及協会<提供:名古屋市港防災センター>

EVAG豪雨災害編(新たな防災気象情報対応)|防災教育普及協会<協力:国土防災技術株式会社>

ほか多数!

以下の記事で紹介している30種類以上の各種教材や防災ゲームについても、展示・体験ができます。

“防災ゲームコンシェルジュ”が常駐し、『防災教材活用ガイドチャート』に基づき、実施環境(対象年齢、人数、時間等)や学びたいテーマに応じた防災ゲームや教材の紹介、使い方のアドバイスなども承ります。

 

   

防災ゲーム・教材等についてのYouTube動画紹介

 

▼防災クイズ&ゲームDayチャンネル(YouTube)及び動画紹介ページについて

 ※動画は順次追加予定です。

  

出展者の受付フォーム<締切>

 

本イベントでの体験会、展示、YouTubeチャンネルでの動画紹介への申請受付を行っています。出展をご希望される個人・団体の方は、下記の申請フォームよりお申し込みください。

なお本イベントはそなエリア東京を会場に、毎年「7月の第1日曜日」に固定開催しています。ご都合が合わない場合はぜひ次年度でのお申し込みをご検討ください。

※ 出展料は無料です。
※ 申し込みフォームに記載の注意事項を必ずご確認ください。
※ 希望者多数の場合、本協会会員(個人・団体・賛助)の出展を優先させていただきます。
※ 公共施設のため会場内での販売はできません。チラシ配布等は可能です。

 

防災クイズ&ゲームDAY に関するお問い合わせ

 

お問い合わせフォーム よりお知らせください。

本イベントは 内閣官房「国土強靱化 民間の取り組み事例集(R7年4月)」 に掲載されています。詳しくは下記のリンクから個別事例(pdf)をご確認ください。

▼防災教材の作り手と防災教育の担い手をつなぐ「防災クイズ&ゲームDay」
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kokudo_kyoujinka/r7_minkan/pdf/028.pdf

【会員レポート】中学生・高校生向け『写真付き教材』について ~東日本大震災を体験した子供達の想い・考えを、次世代に伝える教材~

 

【会員レポート】では、本協会会員の皆さまから寄せられた防災教育実践報告などをご紹介しています。掲載をご希望の方は、事務局まで情報をお寄せください。また、レポートを掲載された方へのご相談や講師派遣依頼につきましても、事務局までお気軽にお問い合わせください。

 


 

情報提供者:小笠原 潤(岩手県立宮古高等学校定時制 講師) 会員
情報提供日:2026年4月15日
連絡先  :TEL. 0193-63-6448
      MAIL. ptf60-j-ogasawara(アットマーク)iwate-ed.jp

 

準備の段階

● 実践・実施のきっかけや経緯

 東日本大震災発災から15年を経過し、震災当時生まれていなかった子供達が中学校や高校に入学してくる現在、地域に根ざした防災・減災についてどのようにして伝え、考えてもらうかを工夫していく必要を感じていた。

● 計画や準備で気をつけたこと

 東日本大震災が発生した2011年から2021年まで、被災地域にある5つの高校(宮古、久慈東、山田、岩泉、宮古北)において、2012年12月にインドネシアのアチェ州を取材したうえで『インド洋大津波と東日本大震災の比較』というタイトルで、防災・減災や復興、国際理解、環境問題等について情報を提供する授業やプリント学習を実施してきた。その中には、震災当時高校2年生だった生徒から保育園年長だった幼児まで(12学年分)の生徒達の震災時や震災復旧・復興時の想いや考えが、授業の内容をふまえた600字の小論文という形で多数記録されている。
 これまで、多様な視点の小論文を現役の高校生に『朗読』してもらうことにより、被災した当時の子供達の想いや考え、そして感情が、読み手の生徒達はもちろん聴く側の生徒達により強く伝わる授業を実践してきた(2025年9月16日2025年12月3日付けの【会員レポート】、2編を参照)。
 今回、インド洋大津波や東日本大震災による被害状況、あるいは防災・減災、支援活動・国際協力などについてイメージしやすい工夫を加えた教材を作成した。
 また、より『朗読』しやすい工夫、および『ワークショップ』のやり方などについても改良を加えたので、紹介する。

 

実践の段階

 

● 実施した内容

1) 作成した教材

 中学生・高校生向け『写真付き教材』①【インド洋大津波と東日本大震災の比較】版(15編)(参考資料①)と、②【東日本大震災関連に限定】版(15編)(参考資料②)を作成した。

2) 工夫した内容

 全ての小論文の1編ずつに2枚の写真が付いていることにより、『インド洋大津波(2004年発災)』や『東日本大震災(2011年発災)』等に対して、被災者である生徒達の想いや考え・感情などがイメージしやすくなっている。
 また、地名や読み方が複数ある漢字等に「ふりがな」を付けたことで、『朗読』しやすくなっている。

利用法

・実践例1(50分コース)
ⅰ) 掲載されている15編の中から9編を選び、配布する(「導入」を含め、約5分)。
ⅱ) 生徒もしくは教員が、配布した9編の小論文を『朗読』する(約20分)。
ⅲ) 各生徒が9編の中から1つの小論文を選んだうえで、以下の課題について簡単に書き出す
  (約10分)。(別紙資料1『学校用』
   A:あなたが共感したのは、どういう所ですか?
   B:あなたが選んだ小論文を読み、これからあなたができることは何ですか? 
ⅳ) 別紙資料1を参考にして、以下の課題を提出させる(約15分)(別紙資料2 『原稿
  用紙』
)。
  または、宿題として後日提出とする。
   A:(160字以上~200字以内で述べなさい。)
   B:(260字以上~300字以内で述べなさい。)
ⅴ) 後日、提出された小論文のうちのいくつかを、選んだ小論文と一緒に掲載したプリントを
   作成・配布し、参加生徒全員で想いや考えを共有する。 
・実践例2(50分×2コース)
ⅰ) 震災学習や防災学習などの情報を提供(約30分)。
ⅱ) 掲載されている15編の中から9編を選び、配布する(約5分)。
ⅲ) 参加者(生徒等)もしくは開催者(教員等)が、配布した9編の小論文を『朗読』する
  (約20分)。
ⅳ) 各生徒が9編の中から1つの小論文を選んだうえで、以下の課題について簡単に書き出す
  (約10分)。(別紙資料1)
ⅴ) 選んだ小論文ごと、もしくは合併で数人の班を作り、『グループ討議資料』(別紙資料3
   に沿って話し合い、各班ごとに発表する(班分け:約5分、グループ討議・発表:約30
   分)。
ⅴ‘)または、別紙資料2『原稿用紙』に記述(約35分)、提出後、実践例1の(ⅴ)と同様に
   行い、参加生徒全員で想いや考えを共有する。
ⅴ“)または、小論文中の語句や『いわて震災津波アーカイブ~希望~』等を参考に、ネットを
   使い「調べ学習」を各自、あるいは班で行い、後日発表する。(50分×4コース)
・実施上の留意点
1 心を込めて「朗読」するのは、中学生や高校生、または大学生等の若い世代が望ましい。
  しかし、生徒による朗読が難しい等の状況によっては教員等による朗読でもよいし、各生徒の
  黙読でもよい。
  また、別紙資料2『原稿用紙』での提出は、長期休業中の課題としてもよい。
2 小論文1編の朗読に要する時間は、おおよそ1分40秒である。(朗読の前後に必要な
  時間を加味すると、1編=約2分。)
3 朗読する小論文の数は、9~15編が適当であるので、「導入」や「グループ討議」等に
  必要な時間を考慮して数を決める。(場合によっては、より少ない数の小論文に
  限定してもよい。)
4 「グループ討議」と別紙資料2による「課題の提出」の両方を実施することが望ましいが、
  片方だけの実施でもよい。

● 実践中や、実施後の参加者の反応

 この教材を用いた授業はまだ実施していない。しかし、上記2編の【会員レポート】の際に実施していた『インド洋大津波と東日本大震災の比較』の授業が実施されなくても、今回各小論文に付けた2枚の写真を見ることにより、書いてくれた生徒達の想いや考え・感情について参加者がイメージしやすくなっていると思われる。そのため、今回工夫した『教材』は、「いつでも誰でも簡単に使用できる教材」になっていると考える。
 また、掲載した小論文の中では、震災当時の自らの体験をふまえたうえでの教訓や、これからの自分に何ができるのか等について述べていることから、多くの参加者の共感を得ることができると考える。

 

継続の段階

 

● 課題に感じたこと

 今回使用した写真の多くは、岩手県復興防災部復興推進課が管理する『いわて震災津波アーカイブ~希望~』https://iwate-archive.pref.iwate.jp/)から二次利用したものである。引用した写真以外にも、今まで見たことがなかった貴重な写真や資料がたくさんあり、震災学習や防災・減災学習、支援活動・国際交流等、多くの分野で活用できると感じた。
 その存在を知らない方も多いようなので、ぜひ、多くの方に活用していただきたいと強く思う。

● これからの期待や展望

 この『教材』の利用方法はいろいろと考えられるが、共通するのは「東日本大震災を体験した子供達の想いや考え・感情を知ることができ、知ることにより『自分事』としてどのように行動していくのかを考える場を提供できる」ことである。
 現在、「小学校高学年向け」と「小学校低学年向け」の教材を、震災当時に小学生や保育園児だった生徒の小論文(作文)を中心に選んで作成中である。また、防災・減災学習と共に日本語学習を一緒にできる外国人向けの「日本語学習用」教材を検討している。
 加えて、「幼児向け」に、生徒達が書いてくれた小論文の内容を「絵本」や「紙芝居」にできないかを検討しているが、私だけの力では難しいので、「絵本」や「紙芝居」を作成するノウハウに詳しい方からのご連絡をお待ちしている。

 

 

● 実践中の写真

※写真の掲載についてご本人の許可をいただいています。

           

【会員レポート】『東日本大震災を体験した子供達の想い・考えを、次世代に伝える教材』 実践例③(~大学生対象の実践~)

【会員レポート】では、本協会会員の皆さまから寄せられた防災教育実践報告などをご紹介しています。掲載をご希望の方は、事務局まで情報をお寄せください。また、レポートを掲載された方へのご相談や講師派遣依頼につきましても、事務局までお気軽にお問い合わせください。

 


 

情報提供者:小笠原 潤(岩手県立宮古高等学校定時制 講師) 会員
活動実施日:2025年11月5日
情報提供日:2026年1月20日
連絡先:TEL. 0193-63-6448
    MAIL. ptf60-j-ogasawara(アットマーク)iwate-ed.jp

 

準備の段階

 

● 実践・実施のきっかけや経緯

 東日本大震災発生当時、まだ小さかったり生まれていなかった子供達が高校へ入学してくることが予想され、地域に根ざした防災・減災についてどのようにして伝え、考えてもらうかを工夫していく必要を感じていた。
 一つの方法として、インド洋大津波と東日本大震災に関連する162編の小論文の中から選んだ多様な視点の60編の小論文を『教材』参考資料①参照)とすることで、被災地の生徒達の想いや考えを現在や未来の中学生・高校生、あるいは震災を体験していない人々に引き継ぎ、新たな行動へつなげていきたいと考えている。
 今回、千葉大学園芸学部の加藤ゼミの学生(大学3・4年生、大学院修士・博士課程、計25名)を対象に、この『教材』を使用して、防災学習を実施した。
 きっかけは、NHK盛岡放送局が制作した番組(2025年5月27日に久慈翔北高校で実施した出前授業等を取材・編集)を視聴した森林火災が専門の千葉大学の加藤顕准教授から、「これから大船渡など火災があった場所で研究活動をする予定です。調査に入る前に、大学生に災害で被害に遭った方の気持ちを感じてもらいたいのと、防災の意識も高めたい」という趣旨の依頼があったことである。

● 計画や準備で気をつけたこと

 元になる資料は、岩手県沿岸の被災地にある5つの高校(宮古、山田、久慈東、岩泉、宮古北)において、震災当時高校2年生だった生徒から保育園・幼稚園の年長だった幼児まで(12学年分)の震災を体験した高校生が、震災時や震災復旧・復興時にどのように想い・考えたかを約600字の小論文として記載したものである。
 『教材』作成の準備で特に気を付けたのは、東日本大震災を体験した子供達の想いや考えが形として残るようにすること、そして「いつでも誰でも簡単に使用できる教材」とすることである。

 

実践の段階

 

● 実施した内容

1) 『インド洋大津波と東日本大震災の比較』の授業内容の紹介(約60分間)

 東日本大震災の翌年(2012年)に、JICA東北主催の教師海外研修でインドネシア・アチェ州を訪れる機会を得た。当地は、2004年12月26日に発災したインド洋大津波(スマトラ島沖地震)の被災地で、アチェ州だけで約16万人が亡くなっている。この研修で得た知見や帰国後に調査した日本における「自然環境を活用した防災・減災」などをまとめ、スライドや動画上映を中心とした50分×2コマの授業を実施している。
 今回、その授業内容(「アチェの状況」や「マングローブの役割」「日本の防災林」等)について約60分間に短縮して学生達に紹介した。

2) 加藤ゼミの学生(大学生、大学院生)による小論文(12編)の朗読(約20分間)

 今回、震災を体験した生徒達の小論文60編(参考資料①)の中から『12編』参考資料②参照)を選び、加藤ゼミの学生に朗読してもらった(1人各1編を朗読)。
 読んでもらった12編の小論文の選定基準は、以下のⅰ)~ⅲ)の3つの観点による。
 ⅰ)できるだけ多様な視点と体験を含むこと。
 ⅱ)加藤先生から依頼された「大学生に災害で被害に遭った方の気持ちを感じてもらいたい」
   という趣旨に沿っていること。
 ⅲ)被災体験をふまえた「身近な自然環境を活用した防災・減災」に関する生徒達の提言を
   含むこと。

ワークショップ

 今回、1)の「授業内容の紹介」に時間がかかり、また、「マングローブの役割」と「日本の防災林」に関する内容が、加藤ゼミの学生達の研究内容に関連する部分もあったため、急遽「質疑応答」という形に変更になり、ワークショップは実施しなかった。

課題の配付 5) 想いや考えの共有

 加藤ゼミにおいて専門的に「森林生態学」や「景観生態学」を学んでいる学生達には、「課題の提出」や「想いや考えの共有」は必要ないと感じ、実施しなかった。

● 実践中や、実施後の参加者の反応

 実施した内容の1)「授業内容の紹介」

 「東日本大震災」と約21年前に発災した「インド洋大津波」を比較して紹介し、2つの自然災害の共通点や相違点を比較検討したことで、防災・減災や復興、国際支援活動等について興味深く聴いてくれていることを感じた。
 また、インドネシアのマングローブ林と日本の防災林を比較しながら「自然環境を活用した防災・減災」という視点からの防災・減災について紹介することにより、「身近な自然環境」の重要性を理解してもらうことができた。
 北海道出身の学生Aさんからは、「自分の卒論研究を海岸林について研究したいと思うようになった。小笠原先生から見せて頂いたいろいろな防潮事例を拝見して、自分の研究で役立つと感じた。」という感想をいただいた。
 また、当日参加していた澤田義人千葉大学客員准教授(JAXA『宇宙航空研究開発機構』において“植生観測に特化した人工衛星の開発に携わっている”先生)からは、「人工物と自然物を組み合わせた防災などは、お聴きして大変示唆に富むものでした」、「現在開発中の衛星が皆さまの財産と生命を守る一助になればとの思いを、今日は新たにしました」等の感想を寄せて頂いた。

実施した内容の2)「小論文(12編)の朗読」

 声に出して朗読することにより、被災した当時の子供達の想いや考え、そして感情が、読み手の学生達に、より強く伝わったと思われる。また、被災した子供達と同じ世代の聞く側の学生達にも「自分にも起こりうる事」と捉えやすくなり、強く響いたと思われる。
 関西出身の学生Bさんからは、「東日本大震災の時に関西は全く揺れなかったので、震災が起きたこともニュースでしか分からなかった。今回参加して、自分の事として感じられて良かった。南海トラフ巨大地震が起きたらと思うと心配だ。」という感想を、福島出身の学生Cさんからは、「福島で震災に遭ったので、自分に起きたことを思い出した。自分の実家は海岸近くではなかったので、津波による影響はなかったが、震災のことは時間と共に忘れてしまうので、このような機会があって本当に良かった。南海トラフ巨大地震への備えはどうしたら良いか? と考えた。」という感想をいただいた。
 また、加藤先生からは、「生徒の書いた文章が、どれも心に響くものばかりでした」、「伝承は被災者本人でなくても、別の人が文章を読み伝えることも大事だと私は思っております」、「今日の講義でも読み伝える重要性を改めて感じております」等の感想を寄せて頂いた。
 加藤先生からの「大学生に災害で被害に遭った方の気持ちを感じてもらいたい」という依頼に応えることができたと思うと共に、被災した方の気持ちを考えない「心のない研究者にはなってほしくない」という学生への教育方針に感銘を受けた

継続の段階

 

● 課題に感じたこと

 大学生を対象とする場合、専門性が高いことが予想される。今回のように「森林生態学」や「景観生態学」を専門的に学び研究している学生の場合、進路が未定の中高生むけに考えたワークショップでは物足りないだろうということを感じた。「防災・減災」や「支援活動」、あるいは「復興教育」や「国際交流」等を専門的に学び研究している学生を対象とする場合にも、同様のことが考えられる。
 そのような場合には、小論文を朗読することで「被災者の気持ち」を想い、感じてもらったうえで、その「被災者の気持ち」を専門的な研究の中にどのように落とし込むのかを話し合う形が良いと考える。

● これからの期待や展望

 この『教材』(15編×4セット=60編)の特徴は、東日本大震災当時、高校2年生から保育園・幼稚園の年長までの12学年分に相当する子供達が、高校生の時のいろいろな「想いや考え・感情」を表現したということである。そして、その小論文を若い世代が『朗読』することで、「想いや考え・感情」を共有できることである。
 東日本大震災からまもなく15年になり、震災記憶の風化が進んでいることを感じている人は多いと思われる。時の流れにより風化が進むのは仕方がない、と諦めてしまう人もいるかも知れない。しかし、津波による甚大な被害を何度も繰り返し受けてきた三陸地域で伝わる「津波てんでんこ」のように、あるいは文字としては記録されていない百十数年前に発災した大津波の記録を口承文芸として伝承してきたインドネシア・シムル島の「スモン」のように、先人の被災体験や教訓が伝わったことで助かった命がたくさんあるという事実を忘れてはいけない。
 原爆詩の『朗読』を続けている吉永小百合さんの活動や、ひめゆり平和祈念資料館等で行われている元学徒の体験を綴った手記や絵本の『朗読』は、聴く人の感情に強く訴える。
 東日本大震災の被災者である子供達の「想いや考え・感情」は、『朗読』することにより共有することができ、そしてそれは被災体験や教訓を未来へ引き継いでいくための有効な方法の一つであると考える。

 

 

 

● 実践中の写真

※写真の掲載についてご本人の許可をいただいています。

           

【会員レポート】『東日本大震災を体験した子供達の想い・考えを、次世代に伝える教材』 実践例②

【会員レポート】では、本協会会員の皆さまから寄せられた防災教育実践報告などをご紹介しています。掲載をご希望の方は、事務局まで情報をお寄せください。また、レポートを掲載された方へのご相談や講師派遣依頼につきましても、事務局までお気軽にお問い合わせください。

 


 

情報提供者:小笠原 潤(岩手県立宮古高等学校定時制 講師) 会員
活動実施日:2025年10月2日
情報提供日:2025年11月27日
連絡先:TEL. 0193-63-6448
    MAIL. ptf60-j-ogasawara(アットマーク)iwate-ed.jp

 

準備の段階

 

● 実践・実施のきっかけや経緯

 東日本大震災発生当時、まだ小さかったり生まれていなかった子供達が高校へ入学してくることが予想され、地域に根ざした防災・減災についてどのようにして伝え、考えてもらうかを工夫していく必要を感じていた。
 一つの方法として、インド洋大津波と東日本大震災に関連する162編の小論文の中から選んだ多様な視点の60編の小論文を『教材』参考資料①参照)とすることで、被災地の生徒達の想いや考えを現在や未来の中学生・高校生、あるいは震災を体験していない人々に引き継ぎ、新たな行動へつなげていきたいと考えている。
 今回、盛岡中央高校通信制(全日型)において、118名(1年生41名、2年生30名、3年生47名)を対象に、「総合的な探究の時間」の中で「防災学習」としてこの『教材』を使用した。

● 計画や準備で気をつけたこと

 元になる資料(2021年11月22日付けの【会員レポート】など9編を参照)は、岩手県沿岸の被災地にある5つの高校(宮古、山田、久慈東、岩泉、宮古北)において、震災当時高校2年生だった生徒から保育園・幼稚園の年長だった幼児まで(12学年分)の震災を体験した高校生が、震災時や震災復旧・復興時にどのように想い・考えたかを600字の小論文として記載したものである。
 『教材』作成の準備で特に気を付けたのは、東日本大震災を体験した子供達の想いや考えが形として残るようにすること、そして「いつでも誰でも簡単に使用できる教材」とすることである。

 

実践の段階

 

● 実施した内容

1) 『インド洋大津波と東日本大震災の比較』の授業内容の紹介(約60分間)

 東日本大震災の翌年(2012年)に、JICA東北主催の教師海外研修でインドネシア・アチェ州を訪れる機会を得た。当地は、2004年12月26日に発生したインド洋大津波(スマトラ島沖地震)の被災地で、アチェ州だけで約16万人が亡くなっている。この研修で得た知見や帰国後に調査した日本における「自然環境を活用した防災・減災」などをまとめ、スライドや動画上映を中心とした50分×2コマの授業を実施している。
 今回、その授業内容(「アチェの状況」や「マングローブの役割」「日本の防災林」等)について約60分間に短縮して参加生徒達に紹介した。そのうえで、授業内容等の「振返りプリント」の作成・掲示・配布や、それらのプリントを参考にした「600字の小論文」の課題の提出を岩手県沿岸の5つの高校で実施したこと、そしてその中から今回12編を選んで生徒達に朗読してもらうことを説明した。
 なお、「導入」に使うこの「授業内容の紹介」は、他の震災学習や防災学習等の情報提供に替えることも可能である。また、状況によっては東日本大震災に関する簡単な説明や動画を流す等の5分程度の短い「導入」でも良いと思われる。
 この後、休憩(約10分間)

2) 現役高校生(盛岡中央高校単位制(全日型)の生徒12名)による小論文(12編)の朗読(約20分間)

 今回、震災を体験した生徒達の小論文『12編』参考資料②参照)について、1~3年生に朗読してもらった(1人各1編を朗読)。
 朗読してもらった12編の小論文の選定は、できるだけ多様な視点と体験を含むことや、実際の体験から得られた教訓や提言を含むこと、等を考慮した。
 盛岡中央高校の指導者の大越教諭に、朗読する際には「心を込めて」、「間を取って」、「ゆっくり」読む練習を前もって2,3回してもらうようにお願いしていたが、12名全員が聞く人達の心に響くとても心のこもった朗読をしてくれた。今回の実践からも、朗読するのは現役の高校生、もしくは中学生や大学生等の若い世代が良いと実感した。

ワークショップ(約30分間)

ⅰ)朗読してもらった12編の中から1編を各自選び、「A:あなたが共感したのは、どういう所
  ですか?」と「B:選んだ小論文を読み、これからあなたができることは何ですか?」、
  および「感想」を、別紙用紙①に書き出してもらった。
ⅱ)その用紙をもとに、5~6人のグループごとに、別紙用紙②を使いながら、「これからあなた
  ができることは何ですか?」について話し合ってもらった。(※ 別紙用紙②では、最初に
  『クロスロード』を行い話し合いに慣れた後で、「この小論文のココに共感した。」、
  「こんな体験をしたことがある。」、「こういう事をしてみたい。」、「こんな方法もある
  のでは。」、「これが必要だ。」、「大船渡の山林火災の被災地に、こんなことができ
  る。」、等々について意見を出し合う。)
ⅲ)話し合った内容について、各グループの代表者から短く発表してもらう予定であったが、
  時間不足により割愛した。

課題の配付

 授業の最後に、別紙用紙③(「原稿用紙」)を配付し、朗読した12編の小論文の中から各自が選んだ1編について、「A:あなたが共感したのは、どういう所ですか?(160字以上~200字以内)」と「B:あなたが選んだ小論文を読み、これからあなたができることは何ですか?(260字以上~300字以内)」について書き、後日提出してもらった。

) 想いや考えの共有

 後日、提出された小論文のうちのいくつかを、選んだ小論文と一緒に掲載したプリントを作成・配付し、参加生徒全員で想いや考えを共有した(参考資料③『想いや考えの共有』(11名分)参照)。

 

● 実践中や、実施後の参加者の反応

 実施した内容の1)「授業内容の紹介」

 「東日本大震災」と生徒たちがまだ生まれていない約21年前に発生した「インド洋大津波」を比較して紹介し、2つの自然災害の共通点や相違点を比較検討したことで、防災・減災や復興、国際支援活動等について興味深く聴いてくれていることを感じた。また、インドネシアのマングローブ林と日本の防災林を比較しながら「自然環境を活用した防災・減災」という視点からの防災・減災について紹介することにより、「身近な自然環境」の重要性を理解してもらうことができた。
 なお、今回選定した12編の小論文の中には、インド洋大津波に関する「授業内容の紹介」を受けなければ伝わりにくい内容を含む小論文も2,3編あったが、それらを除いた『東日本大震災関連に限定編』(15編)も用意してあるので、この「授業内容の紹介」は必ず実施すべきものではないことに留意。

実施した内容の2)「小論文(12編)の朗読」

 声に出して朗読することにより、被災した当時の子供達の想いや考え、そして感情が、読み手の生徒達に、より強く伝わったと思われる。
 また、子供の頃に実際に東日本大震災を体験した地域の先輩たちの高校時代の想いや考え・感情を、同じ年代の現役の高校生達が「自分事」として思い浮かべながら朗読することにより、聴く側の生徒達にも「自分にも起こりうる事」と捉えやすくなり、強く響いたと思われる。(参考資料③参照)

実施した内容の3)「ワークショップ」

 12編の小論文の中から自分の心に引っかかった1編を選び、それぞれが別紙用紙①に書き出した「この小論文のココに共感した」ことを話すことをきっかけとして、「こういう事をしてみたい」や「こんな方法もあるのでは」等々についてグループごとに活発に話し合っていた。
 互いの考えや感じたことを話し合うことで、多様な視点から「自分がこれからできること」を考える良い機会になったと思われる。(参考資料③参照)

実施した内容の4)「課題の配付」と5)「想いや考えの共有」

 ワークショップ後に、自分の心に引っかかった1編について自らが書き出した「共感したところ」と「これからできること」、加えてグループワークで話し合うことで気づいた事や閃いた事をまとめて文章化していく過程、及び「想いや考えの共有」により、防災意識の向上や災害への備え、そして「これから自分にできること」について深く考えることができたと思われる。

継続の段階

 

● 課題に感じたこと

 ワークショップにどれ位の時間を取るのかについて、参加生徒の日頃の状況が分からないと設定が難しいということを感じた。今回、ワークショップの時間が不足し、最後に予定していた数グループからの発表を割愛せざるを得なかった。日頃から生徒達と接している指導者と、前もって可能な限り詳しい情報交換をする必要があると感じた。
 学校で実施する場合、生徒達の事をよく知るその学校の指導者が、この『教材』の中にある「利用法」を参考に、自由にアレンジして使用することが望ましいと思われる。

● これからの期待や展望

 この『教材』(15編×4セット=60編)は、【体験・生き方】や【体験・支援活動】などのテーマに合わせて必要数の小論文を選ぶことも可能である。あるいは、防災学習や復興学習・支援活動・国際理解・生き方・地域の特性・環境学習などに関する多様な小論文があるので、あるテーマに特化した情報提供やワークショップ等を行ったうえで、適する内容の小論文を必要数選び朗読することも可能である。

 以上のように、この『教材』(参考資料①の利用方法はいろいろと考えられる。共通するのは、「東日本大震災を体験した子供達の想いや考え・感情を知ることができ、知ることにより『自分事』としてどのように行動していくのかを考える場を提供できる」ことである。

 

 

 

● 実践中の写真

※写真の掲載についてご本人の許可をいただいています。

           

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