活動実績

コミュニティ・スクールを通じた災害に強い地域の輪づくり 埼玉県で

埼玉県立総合教育センターが例年実施している「災害に強い地域の輪づくり講座」を平成29年度も弊会が担当しました。同講座は、県内の学校や公民館の教職員や教育関係部署、市区町村防災担当部署などが幅広く参加する一日研修です。例年は「避難所運営」を中心的なテーマとして行ってきましたが、本年度より『災害に強い地域の輪』についてより具体的な説明と提案を加えました。

埼玉県では文科省が進める『コミュニティ・スクール』の推進に力を入れており、本講座参加者の多くが関心事としていました。そのため、午前の部では「災害」とは「被災者・復興」とは何かといった基本的な問いについての説明から、「地域の輪」をつくるための防災教育、新学習指導要領で示される要点との関連などを中心にお話しました。また『地域における防災教育の実践に関する手引き』を紹介し、具体的な防災教育実践のヒントをご紹介しました。

午後の部では『避難所運営ゲーム(HUG)』を使ったワークショップを行いました。アクティブ・ラーニングを意識した話し合い(学び合い)の工夫、夜間に実際に「避難所運営本部会議(緊急)」が開催されるという想定での振り返り、ワールドカフェ方式での共有など、参加者が防災だけでなく日々の学校教育や地域教育で役立つポイントを交えながら進行しました。

 

総合教育センターが実施したアンケートでは、6時間以上に及ぶ長時間講座ではありましたが「内容や難易度など分かりやすい内容であったか」、「今後の教育実践に役立つ内容であったか」という評価軸において、全ての参加者の方から「そう思う」とご回答いただきました。

刈谷市の発達障害児支援NPO主催講演会で講義とシンポジウム

愛知県刈谷市のNPO法人「ぎふと」が主催する防災講演会とシンポジウムを担当させていただきました。発達障害児と保護者や支援者の備えについて参加者の皆さんと一緒に考える機会となりました。冒頭に発達障害児・者やその家族、また被災された方を支援する際に重要な『孤独と孤立』の違いや『孤立を防ぐ』大切さについて、子育てや支援活動の体験などを踏まえて紹介しました。また、東日本大震災当時の障害者(発達障害児・者)の状況について具体的なデータに基づく解説、発達障害児とその保護者・支援者の家庭や地域での備えについて、ポイントを整理しながらご紹介させていただきました。

休憩をはさんで「シンポジウム」には、主催団体の代表者の方、刈谷市危機管理課の方、主催団体メンバーの方(保護者代表)をパネリストとして、筆者はコーディネーター・ファシリテーターとして参加しました。市や保健センターなどへの事前の質問について回答していただきながら、刈谷市の対策を中心に、会場と意見交換しながら進行しました。

 

9月10日(日)に、本講演会を受けて実際に発達障害児や保護者にとって重要な『体験』をメインとしたイベントが企画されており、主催者から告知が行われました。なお、参加者からの意見については、アンケート結果の公開許可を得ていますので、下記からダウンロードしてご覧ください。

(報告:事務局長/宮﨑)

【参加者アンケート結果】

 ・170615_NPOぎふと防災講演会アンケート結果[PDF/923KB]

【リンク】

 ・NPO法人「ぎふと」ホームページ

芝浦工業大学附属柏中学校で全校防災講演会

芝浦工業大学附属柏中学・高等学校が独自に取り組んでいる「安全の日」の一環で防災講演会を担当しました。『生命の大切さを考える防災活動』をテーマに、防災の基本的な考え方や、災害発生時の身の守り方、平時の備えのポイントなどを紹介しました。講演後は各クラスに戻り、災害状況をシミュレーションするワークシートへの記入と、振り返りシートへの記入を行いました。

日本コープ共済で職員研修、応急手当を実技指導

日本コープ共済生活協同組合連合会主催の職員研修で、心肺蘇生法及びAED操法や三角巾・搬送法など応急手当の実技指導を行いました。東京消防庁「応急手当普及員」として10年以上の指導経験※を持つ宮﨑事務局長と、協力団体である『災害救援ボランティア推進委員会』のスタッフが指導を担当しました。参加者からは「実際に体験してみると難しいと感じたが、経験したことが実際に行動するきっかけになると思う」といった感想がありました。

弊会では児童生徒から社会人の方まで、応急手当や避難生活体験など実技を含め、幅広い視点での防災教育普及啓発に取り組んでいます。講師派遣依頼だけでなく「こんなことを学びたい、体験したいけどどうしたらいいのか分からない」といったご質問やご相談も受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。

  

※災害救援ボランティア推進委員会等が行う災害救援ボランティア講座内「上級救命技能講習(指導:東京防災救急協会)」

学生による防災教育教材等開発プロジェクトで特別講義、アプリ体験指導も

女子美術大学「プロジェクト&コラボレーション演習(※学生自身が防災教育アプリや商品開発、ワークショップ開発の企画やプレゼンテーションを行う授業)」で特別講義を担当しました。テーマのひとつとして発達障害児・者をターゲットにすることもあり、冒頭にインクルーシブ防災や東日本大震災における被害の状況等について紹介しました。大学が杉並区にあることから、区の防災対策について解説を加えながら、教材開発に必要となる防災の基礎知識について講義を行いました。

また、防災教育アプリの事例としてジュニア向け災害医療教材『災害医療クエスト』を実際に体験してもらいました。学生自身がスマートフォンにアプリをダウンロードし、事前に用意したARマーカーを読み込むことで、画面に表示される課題に取り組んでもらいました。

『災害医療クエスト』は2017年7月2日(日)に東京臨海広域防災公園で開催する『防災ゲームDay2017inそなエリア東京』にて、国立研究開発法人産業技術総合研究所様が出展されます。関心のある方はぜひ、当日会場にて体験してみてください。


(災害医療クエストで使う図面やARマーカー。サイトからダウンロードして誰でも使えます)

 

参考資料

 ● 杉並区の防災対策
 ● パステルハートプロジェクト(女子美術大学が関わる防災アプリ開発等)
 ● 災害医療クエスト

2016(H28)年度活動実績一覧

2016(H28)年度活動実績の一覧は下記をクリックしてダウンロードしてください。

▶ 一般社団法人防災教育普及協会2016(H28)年度活動実績一覧[PDF]

都内保育園の新入職員研修、災害時の課題と解決策発見を支援

都内の社会福祉法人が運営する保育園の新入職員研修を担当しました。

冒頭に園児や幼児でも楽しみながら安全行動を学べる防災教育教材「ぼうさいダック」を使った準備運動を行いました。東日本大震災当時の保育園の対応を記録した映像資料「3.11その時保育園は」の一部を視聴し、平時からの訓練、保育士としての心構えについて理解していただきました。

引き続き、ワークショップで地震災害が発生した場合に心配なことや不安なことを書き出してもらい、保育園の災害対応フローに基づく講義を踏まえ、解決策や予防策も考えてもらいました。 課題及び解決策は、災害発生(今回は園児が午睡中、5歳児クラスのみホールで遊び中の地震)から30分以内、3時間以内、3日間以内という大きな3つの時間軸で検討しています。

園の防災マニュアルを前提としますが、今回はあえてマニュアルを使わず、参加者自身の知識や経験に基づいて考える機会となりました。