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福祉施設職員向け防災講座でワークショップ、感染予防を徹底|千葉県


2020年9月4日(金)、千葉県消防学校防災研修センター主催『社会福祉施設における防災対策講座【福祉避難所の理解】』に講師を派遣しました。

○ 講座チラシはこちら

講座は講義、ワークショップ、意見交換の三部構成で実施されました。

講義では「福祉避難所の制度等の解説及び災害時の事例と課題について」をテーマに、まず福祉避難所の定義や位置づけについて、国・都道府県・市区町村・各法人(施設)のそれぞれでどのように定められているかを紹介しました。重要なキーワードについては市区町村の実情に応じて確認するためのワークシートについても配布しました(図1)。

基本的な用語を確認するワークシート
図1 基本的な用語を確認するためのワークシート

 
続いて令和2年7月豪雨、平成28年熊本地震における施設の災害対応事例と教訓を紹介したのち、東日本大震災を含むこれまでの災害時要配慮者に関わる課題と、個人・法人での対策の要点などを紹介しました。

ワークショップでは、感染予防を徹底するため発話や道具の共有を必要としない個人ワーク形式で行いました。冒頭に新型コロナウイルス対策と福祉避難所として、受け付けでの水際対策について触れたのち、施設の防災対策のチェックや福祉避難所開設・運営の初動対応に係るシミュレーション等を実施しました。

意見交換では、Webサービス「slido」を用いて参加者から質問や意見を募りました。「備蓄したいが施設に場所がない」、「防災マニュアルはあるが、上司からBCP策定を指示されいてるが、線引きが難しい」など、18件の質問・意見が寄せられ、それぞれについて講師が解説していくという方式で行いました。

また、投票機能を使って「施設(法人)で事業継続計画BCPを策定していますか」という質問を投げかけたところ21件の回答があり、検討中[57%]、はい[38%]、いいえ[5%]、という状況であることが分かりました(図2)。

slidoの投票結果画面
図2 slidoの投票結果

 
講師からは「BCP策定を検討したり、福祉避難所としての協定は締結しているが、本当にできるのか悩んでいる施設も多い。今回のシミュレーションは福祉避難所の開設・運営の”前提”となる、基本的でかつ核となる部分なので、今後の検討の材料としてください」とまとめがありました。

【 参加者アンケート 記述項目抜粋 】

  • もっと詳しく聞きたい点が出たが、今後、自身で調べる、法人として課題に掲げて対策を取る等の対応もできるかと思う。良い機会となった。
  • webを利用した質問、意見交換は参考になりました。
  • 各々で考える場面が多くあり、自身の理解の振り返りや新しい発見に繋がった。
  • 自分の施設に今、何が足りないのか課題も明確になったと思います。
  • 演習で実際の場面を想定して考えたが、パッと出てこなかったので、有事の際のことを体験できてよかった。